こんにちは。旧姓利用中男性研究者です。稲田朋美議員の賛成表明に関連して、野田聖子議員、河野太郎外相、石破茂議員、福田康夫元首相などが選択的夫婦別姓に賛成ということは、こちらのコラムで紹介されました。このほかにも、自民党で選択的夫婦別姓に賛成を表明している議員はいるのでしょうか?
実は意外とたくさんいます。自民党議員の国会答弁・ご意見を振り返ってみましょう。
船田元議員は、2004年2月19日の第159回国会 憲法調査会基本的人権の保障に関する調査小委員会で、このように述べられています。
確かに、憲法十四条の精神を生かして民法がつくられておりますが、その七百五十条には、婚姻のときには「夫又は妻の氏を称する。」ということで、これは形式的には男女平等ということになっています。しかし、社会通念上、あるいは慣行上、ほとんどの場合は夫の姓になるということであります。妻の姓になるというのはごく限られたものであります。
これは、多分、間接的差別、学術用語では間接的差別と言ってもいいのかもしれませんが、そういう、やはり男女の差、あるいは差別に近い形がこういう社会通念の中にまだまだ入っているということがありますので、そういうものを積極的に是正をしていく。そういうための法律、立法措置というのは、私はやはり、当然ながら求められるべきものであるというふうに理解をしております。
ちなみに、船田議員の妻である畑恵氏は元参議院議員。現在、作新学院理事長をされています。畑氏もブログで、小学校1年生の子どもたちと給食の時間、結婚すると名前が変わるという話をすると、クラス中から一斉に「ヤダー!」の大合唱が上がったエピソードを紹介。
少なくとも私は実体験から断言しますが、結婚で改姓させられる不利益は通称使用では緩和されず、実に甚大です。
安倍政権が『女性が輝く社会』を本気で作り、婚姻件数を増やして出生率を上げたいと願うなら、どうか年明けの通常国会で“いの一番”にこの問題について議論していただきたい。
そして、夫婦別姓を“選択”する自由が与えられない世界唯一の国・日本を、次代を担う子どもたちのために、一日も早く変えていただきたいと思うのです。
他にも、2012年6月19日の法務委員会では、丸山和也議員が、次のように発言されています。
夫婦別姓に関しては。しかし、これは前提として私の思想的理想を言うんですけれども、やっぱり強い国家というか国と自由な市民社会という、この一見矛盾するようなことをやっぱり達成するべきだと私は思っているんですね。
それで、婚姻したら夫婦が同一姓になるというのは明治になってからなんですよ、日本の歴史を見ても。恐らく、明治二十九年ですかね、民法が制定されて、三十一年施行、このときからなんですよね。姓がなかった人も明治以前はたくさんいたんですけれども、少なくとも夫婦結婚したら同一姓にするというのは、これは民法ができて初めてできているんですよ。
そんなに日本的伝統でも何でもないんですよね、よく考えてみると。それで、当時はやっぱり明治政府の富国強兵策の下に強い国家をつくるんだと、そのための家族というのは家制度の下で強くするんだと。それで強い家族、強い家制度、それが強い国家になっていくんだみたいな、一つのやっぱり国策なんですね、思想的に。それは、その時点になって初めて法的に整備されたということを見てもよく分かる。
片や、アジアの諸国を見ても全然違う、中国、韓国にしてもですね。やっぱり生まれた自分の姓というのは結婚したぐらいでは変わらないんですよ。こういうことも、だからどういう形で強い国をつくっていくかというのは時代によって変わっていくと僕は思うんですね。家制度によって強い国をつくっていくというような時代から、やっぱりそれぞれの個人のいろんな形態を、多様な形態を認めて、強い個人同士のきずなによって、自由なつながりによって強い社会をつくっていくんだという、やっぱり時代は変わっているんですよね。
みなさんは、2002年7月24日、自民党法務部会に「民法の一部を改正する議員立法案〜例外的夫婦別姓制度」が提出されたことをご存知でしょうか?野田聖子議員を中心に「実現する会」メンバーが提出したこの立法案、結局は実現しませんでしたが、名を連ねた議員(当時)はこんなにいました。
谷川 和穂、 野中 広務、 中馬 弘毅、 古賀 誠、 久間 章生、
伊藤 公介、 大野 功統、 鈴木 恒夫、 坂井 隆憲、 馳 浩、
上川 陽子、 佐々木知子、 山口 俊一、 浅野 勝人、 七条 明、
浜田 靖一、 奥山 茂彦、 土屋 品子、 奥谷 通、 渡辺 喜美、
大村 秀章、 新藤 義孝、 山本 明彦、 松島みどり、 谷本 龍哉、
小渕 優子、 藤井 基之、 木村 隆秀、 山口 泰明、 中山 成彬、
下村 博文、 高鳥 修、 佐田玄一郎、 横内 正明、 小西 理、
佐藤 勉、 青山 丘、 逢沢 一郎、 水野 賢一、 近藤 基彦、
野田 聖子
また外務副大臣、内閣府特命担当大臣などを歴任した山本一太議員も、著書などで
「自分と妻は別姓ではないが、選択する自由はあるべき」
と、選択的夫婦別姓に賛成の立場を表明しています。反対派の多い保守系の政治団体「創生日本」で副幹事長を務めながらと考えると、異色のご意見といえるでしょう。
前回のコラムで、2017衆院選 候補者アンケート(朝日・東大谷口研究室共同調査)では5人の自民党議員が「選択的夫婦別姓に賛成」と回答したことが紹介されましたが、「どちらかといえば賛成」は32人もいます。
小倉 將信 、小里 泰弘 、越智 隆雄 、加藤 鮎子
神谷 昇 、木原 誠二 、河野 太郎 、小寺 裕雄
塩崎 恭久 、下村 博文 、鈴木 貴子、武井 俊輔
田中 良生 、土屋 品子 、二階 俊博、根本 匠
萩生田 光一、平口 洋 、福田 達夫 、船田 元
穂坂 泰 、松島 みどり、松本 剛明 、三原 朝彦
森 英介、盛山 正仁、山口 壯 、山本ともひろ
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