【既婚医師に訊きました!本当は自分の名前で結婚したかった?】

事実婚6年目、あいさんの場合」というコラムを寄稿してくれた、陳情アクションのメンバーであり医師でもある「あい」さん。

そのあいさんが、実際に法律婚をされている医師の方々に「名前に関するアンケート」を取ってくださいました。とても興味深い結果となっております、ぜひお読みください。


医師は「自分の名前」で患者さん・スタッフから信頼を得て仕事をしていますし、実績も「自分の名前」で登録されています。

そんな医師でも結婚後に「改姓」するか、それとも「自分の名前を維持」するか、非常に悩むものです。

では、どれだけの医師が結婚後に「自分の名前を維持」もしくは「改姓」しているのか、無記名アンケートを行いました。

まず、対象とする医師は「法律婚のみ」としました。

事実婚中の医師夫婦は、自動的に全員「自分の名前」だからです。
また、世間一般の「夫姓に改姓する割合が96%」という事実と比べるため、男女別にアンケートを取りました。その結果がこちらです。

1問目「法律婚をした医師で、結婚後の名字はどうなりましたか?」

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世間一般の偏りと同じく、「自分の名前を維持」しているのは男性医師が多く、主に女性医師が「改姓」している結果となりました。

医師は「旧姓通称使用」が比較的可能な業種なのですが、アンケートに答えてくれた男性医師で「旧姓通称使用」している方は何と0人でした。

「旧姓通称使用があるから、改姓しても仕事に支障が全くない」というなら、男性医師と女性医師が概ね同等に旧姓通称使用しているはずなのに、実態は女性医師の方が多く旧姓通称使用している結果となりました。

更にアンケート回答に加えて、「改姓」側から何件かご意見を頂きました

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仕事でもプライベートでも、不利益を受けているのが一目瞭然です。
まとめると、「改姓」「旧姓通称使用」しているのは女性医師が主で、
特に「改姓」に伴う不利益が決して少なくない、ということになります。

では、法律婚で「改姓」「旧姓通称使用」した医師は、心の底から望んで「改姓」したのか、それとも、頂いたご意見のように、不利益に心をズタズタにされながらも、やむを得ず「改姓」したのか、対象とする医師を「法律婚のみ」「改姓/旧姓通称使用のみ」として、追加アンケートを行いました。
その結果がこちらです。

2問目「法律婚をする時に『自分の名前を維持』『改姓』が選べるなら、どうしたかったか」

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何と、8割もの医師が「本当は結婚しても自分の名前を維持したかった」=「本当は自分の名前で結婚したかった」という結果になりました。

不利益に苦しむ「改姓」医師は、決して少数派ではなく、むしろ多数派だったのです。

先述しましたが、医師は「旧姓通称使用」が比較的可能な業種です。
「改姓」しても「旧姓通称使用」すれば、仕事の支障はそう多くはないはずです。

それでも、多くの医師が「自分の名前を維持」したかったのです。
多くの「改姓」医師が、「自分の名前」で生きる権利を、
幸せになるはずの「法律婚」で奪われていたのです。

今回は「法律婚」した「医師」を対象にアンケートを行いました。
この結果は、果たして「医師のみに限る」ものでしょうか。
日本では医師以外にも国家資格を有する専門職・資格職は数多くあります。
そして、その多くは医師ほど「旧姓通称使用」を許されている状況ではありません。

「旧姓通称使用」が比較的可能な医師でさえ、本音は「自分の名前を維持」したかったのですから、他職種は尚更と考えた方がよいでしょう。

本来「自分の名前」は「自分」というアイデンティティの一部です。
そこに「職業」「資格」「立場」「性別」等は、一切関係ありません。

専業主婦/夫だから、無職だから、学生だから、女性だから、、、
「だから法律婚で『改姓』したっていいじゃない」というのは、
「相手」のアイデンティティを著しく傷付けているのです。

自ら望んで「改姓」したい人達は、これからも守られています
これからは自ら望んで「自分の名前を維持」したい人達も法律で守り、認めていくべきではないでしょうか

文:あい

投稿担当:Y