選択的夫婦別姓・全国陳情アクションは、男女共同参画週間のスタート日となる6月23日、愛媛新聞社会面に、選択的夫婦別姓をわかりやすく伝えるための意見広告を掲載しました。これは私たちが2月14日〜4月17日に行っていたクラウドファンディング「#自分の名前で生きる自由」でご支援いただいた約730万円のうち、約200万円をかけて実施したものです。特にこれからこの問題に直面する若い人たちに問題提起をしたい、変えていかなければという機運を高めたいと、カップル間で交わされるチャット形式のデザインにしました。
原案は茨城県の事実婚メンバー。同じく事実婚で当アクションのメンバーでもある漫画家・イラストレーターの水谷さるころさんの協力を得ながら、メンバーでアイデアを出し合い、デザインを仕上げていきました。
「世界で日本だけの人権問題を、自分ごととして捉える契機に」(事務局長 井田奈穂)
望まない人まで理不尽に結婚改姓を強いられる、世界で日本人同士のカップルだけの問題を世に問いかけ、多くの人に自分ごととして捉えていただくために意見広告を出しました。
当初、「全国あちこちでの屋外広告」も案としてありましたが、各地とも外出制限のため断念し、新聞広告に切り替えました。
愛媛新聞にした理由は、3月10日の愛媛県議会で「選択的夫婦別姓や事実婚で犯罪が増える」という趣旨の差別発言があったためです。互いに生まれ持った氏名を変えないだけでどんな「犯罪」が起こるというのでしょうか。
2014年以降、夫婦別姓で結婚できない国は日本以外に一カ国もありません。イヴァンカ・トランプさんはクシュナーさんとご結婚されてもトランプさんのまま。福原愛さんは江さんと結婚されても福原さんのまま。日本はもともと夫婦別姓の国でしたし、国際結婚は基本が別姓です。結婚改姓しなかったからといって社会問題が起こった国もありません。
正しい知識を持って当事者の困りごとに耳を傾けていただきたく、3月から愛媛県自民党に勉強会の打診をしておりますが、お返事はなく、抗議文で求めた撤回や謝罪もありません。
県内シェアNo.1の愛媛新聞に出すことで、少しでも差別発言をした森高康行議員と、発言を容認し請願を不採択にした愛媛県自民党の皆さんに届くことを願っています。
また残念ながら、このような偏見は愛媛県に限ったことではありません。生まれ持った氏名を変えずに生きることは世界的に認められた基本的人権だと知らない方が全国に多く存在します。
今回の広告出稿を通じて、一人でも多くの方に「ありのままの氏名で生きる選択肢」への理解を広げていきたいと考えています。ご支援いただきました全国の皆様に、心より感謝申し上げます。