記事から読み解く「夫婦同姓の強制」と「少子化」との関連性

選択的夫婦別姓の基礎知識

結婚するカップルが、結婚後の姓をどうするかを自分たちで選べないことは「少子化の一因である」とされています。それはなぜでしょうか?

日経の記事を中心にまとめました。

以下抜粋です。

婚姻の在り方も少子化の一因だ。日本人女性の平均初婚年齢(2015年)は29.4歳、第1子出産年齢は30.7歳。しかしフランスやスウェーデンなど欧州では、第1子出産が28~29歳で初婚年齢は30代。つまり、一緒に暮らし、子どもができたら結婚するというのが自然な流れ。日本のように結婚しないで出産することに負い目を感じる必要がないのだ。日本では婚外子はわずか2%だが、欧米では4~5割に達する国も少なくない。

国連から3度の是正勧告を受けている夫婦同姓は日本の婚姻のゆがみの象徴だ。「夫婦別姓は日本の伝統的な家族制度を壊す」という人もいるが、源頼朝の妻は平(北条)政子。日本の伝統はむしろ夫婦別姓であり、夫婦同姓や女性は家を守るものといった「伝統的家族観」は明治以降につくられた虚構にすぎない。

歴史的な事実と世界の状況。2つの軸から日本の少子化対策を点検すると、問題の本質が見えてくる。それは、少子化問題に対する政府の本気度がまだ決定的に足りないということだ。

少子化に関する統計からは、いかにこの問題が深刻かが見えてきます。

17年の出生数 94.6万人で最少(日経新聞)

一人の女性が生涯に産む子どものにあたる合計特殊出生率が2017年、前年より0.01ポイント低い1.43となりました。生まれた子どものは2年連続で100万人を割り、94万6060人。前年より3万人以上少なく、過去最少とのことです。

東京都内でも6年ぶりに低下し、全国平均を大幅に下回る1.21となりました。

結婚していない男女の間に生まれた「婚外子」は日本ではたった2%程度。98%は法律婚夫婦の間に産まれた「婚内子」です。互いに姓を保ったまま結婚したいと願うカップルが選ぶのが制度上では存在しない「事実婚」ですが、「法律婚できないままでは子どもを持てない」と、法改正を待つ(そしてそのまま出産年齢を過ぎてしまう)ケースは実に多いのです。

千葉市では、来年4月から事実婚カップルにもLBGTカップルと同様にパートナー制度を認める方針を固めました。

千葉市、同性・事実婚カップル「パートナー」認定(日経新聞)

横須賀市でも同様に、夫婦別姓を求めて事実婚のまま暮らすカップルも念頭に置いて、パートナー制度を始めるそうです。

パートナー制度「早期導入を」 横須賀市、諮問機関が答申(カナコロ)

しかしこういった制度は、市営住宅への入居時の審査や、市立病院で入院患者に面会する際など、「家族であることの証明」に多少の効力を発揮するものの、法律婚を上回る法的な拘束力はありません。事実婚では、子どもの共同親権は依然としてないままです。

子どもを「婚内子」にするために出産前後だけ法律婚し、ペーパー離婚する事実婚カップルもいますが、選択的夫婦別姓が認められていたら、そもそもそんなことをする必要などありません。

結婚をしたカップルが社会で働く上で、また子どもを安心して生み育てる上で、「どちらか片方が必ず改姓をしなければならない制度」は確実にハードルとなっています

一度姓を変えてしまえば、「旧姓」に法的根拠はありません。(望む望まないにかかわらず)「改姓」は一人の人間が一度この社会からいなくなり、別の名前で生まれ変わること、つまり「社会的な死」を意味しています。

改姓手続きがあれほど面倒な理由は、その名前で財産を持ったり、社会的な信用を築く上で、「この世に存在しなくなった人間と同一人物かどうかを間違いなく照合しなければならないから」です。

当アクションの投稿フォームには、「今の法律のままでは結婚できない/したいと思えない」という声が寄せられています。

近い将来に結婚を考えているが、「同姓が強要」されているために億劫

自分もパートナーも法人代表。お互いこの姓名で多くのことを成し遂げてきた。女性の社会進出を本当に考えているのであれば今すぐに選択的夫婦別姓を導入すべき。

女性である自分が大切にされない社会で、結婚して次の世代を育てたいと思う人が増えるはずもない

女性活躍社会にも関わらず、本来の姓を国が変えさせるのは拷問。

私は国に訴えたい。

どうか結婚したい人たちに、結婚させてください。

「自分の名前を変えたくない」という人の人格権や尊厳を守らせてください。

「同じ名前になることを幸せと思え」と押し付けないでください。

2度改姓した私のように、仕事上・生活上の不利益を、アイデンティティを失う苦痛を、これから社会を支えていく人たちには与えないでください。

日本では、子どもを持つ前提と考えられているのが結婚です。「結婚するには自分の名前も、それに紐づく仕事の実績も捨てなきゃいけない。子どもを産めば働き続けるのは非常に困難。失うものが多すぎて無理」と感じさせている、それが今の日本社会です。

日本政府も経団連も「多様な個人や女性が活躍するほうが日本経済に好影響がある」と言いながら、なぜ本気で「活躍できる」環境を整えないのでしょうか。女性の社会進出は、男性の家事育児進出と対をなすもの。女性だけが名前・キャリア・収入を捨てて、ワンオペ育児に邁進しなければならない社会構造を、速やかに改善してほしいと考えています。

選択的夫婦別姓が導入されてすぐに少子化が改善する訳ではありませんが、少なくとも改善への第一歩にはなり得るでしょう。「同じ姓でなければ家族ではない」とか言ってる国、世界で日本だけですから、導入されたところで「やっと最低限の水準に追いついた」というレベル感ではありますが…。

議員さん、選択的夫婦別姓を望むみなさん。
深刻な少子化を少しでも食い止めるためにも、あなたの街から意思を発信しましょう。国会に法改正を求めるための陳情に、ぜひ気軽にご参加ください。

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