埼玉県議会本会議で2021年7月2日(金)、

7月2日の可決後、埼玉県議会議事堂の前で、(左から)上田めぐみ、井田奈穂、成宮八重子
選択的夫婦別姓制度の導入に向けた国会審議の推進を求める意見書
夫婦が望む場合には、結婚後も夫婦がそれぞれ結婚前の姓を称することを認める選択的夫婦別姓制度の導入に関し、平成8年2月に国の法制審議会が答申を出してから四半世紀が経過した。近年、結婚前の姓で社会的信用や実績などを築く期間が長くなっていることから、結婚に伴う改姓により社会的不利益・不都合や精神的苦痛を被る事例が更に増加している。
平成30年3月の衆議院法務委員会において、法務省民事局長が、夫婦同姓制を採用している国は日本以外にはない旨を答弁し、また本年4月の同委員会において、法務大臣が、仮に選択的夫婦別姓制度が導入された場合でも、戸籍の機能や重要性は変わらない旨を答弁している。
更に、本年6月23日に示された最高裁判所決定では6年前の判決同様に、夫婦の氏についての制度の在り方については、「国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならない」と示している。
そこで、国の基本である戸籍制度を堅持しつつ、選択的夫婦別姓制度に関し、その意義や必要性並びに家族生活及び社会生活への影響について、社会に開かれた形で議論を進めていく必要がある。
よって、国においては、近年における国民の価値観の多様化及びこれを反映した世論の動向等に鑑み、選択的夫婦別姓制度の導入に向けた国会審議を推進するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。令和3年7月2日
埼玉県議会議長 木下 高志
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 様
法務大臣
男女共同参画担当大臣
以下が請願者です。無所属県民会議以外、
・埼玉県に住む10代と20代の若者による、
・女性事業承継者(経営者、後継予定者等)
・選択的夫婦別姓の導入を望む希望者とSNSでつながり、
国会議員が水面下でかけた圧力に地方議員が「NO」。今回の意見書が持つ意義
今回の可決は大きな意義がありました。
2021年1月、自民党国会議員50名が連名で、
私たちも公開質問状を送りましたが
7月2日本会議終了後16時〜、自民党埼玉県議団の田村 琢実幹事長、 中屋敷慎一政調会長、須賀敬史政調会長代理、藤井健志政調副会長が会見に応じて下さいました。口々に、「生活していて困っている当事者がいるなら、寄り添って解決するのが政治の役割である」と語って下さいました。反対議員からの“圧力”や「嫌だ」をはねのけて、49名をまとめ、明確な意思を示してくださった議員の皆様の一言一言に胸が熱くなりました。
「選択的夫婦別姓が導入されなければ悲しむ人がいるが、導入されて悲しむ人は一人もいない。誰も損をしない法改正だ」。そのような思いで、「選択的夫婦別姓制度の導入に向けた国会審議の推進を求める」意見書を、議会で自民党が過半数を超える埼玉県議会で可決していただけたことは、動かない自民党内での議論を中から動かすのに大きな意味があると考えます。「自民党は全会一致の原則で意思決定をする歴史。多数決ではない民主的でない部分もある。会派拘束を外せないのかと疑問に感じた」(田村議員)という課題も浮き彫りになりました。
会見の様子を、ぜひ動画でご覧ください(サムネイル画像は埼玉県のマスコット・コバトンカラーで作ってみました笑)。
選択的夫婦別姓推進の意見書可決は、都道府県議会で10議会12件に
今回の意見書は、6月23日に選択的夫婦別姓訴訟で最高裁が再び「合憲」を下した後、
https://chinjyo-action.com/area/
可決までの経緯
当事者が辛い胸にうちや困りごと直接相談すれば、どの議会にも、会派にも、寄り添ってくださる議員さんたちはいます。今回の可決までの経緯が「地元議員さんに声を届ける」という行動の後押しになればと思い、以下にまとめました。
2019年2月定例会に埼玉県在住メンバーが埼玉県議会に対して
2020年8月埼玉県出身の井田奈穂をメイン陳情者として県議会への働きかけ再
8月3日 当時議会運営委員長だった須賀敬史議員に面談。「選択制なのに。なんで決まらないのだろうね」とご理解をいただき、田村琢実議長(当時)への相談をすすめられる。
8月21日 自民党・鈴木けいすけ衆議院議員に面談。
一貫して選択的夫婦別姓賛成の立場でサポートしてくださっている鈴木馨祐外務副大臣@SuzukiKeisukeMP にご面談いただきました。
— 井田奈穂|一般社団法人あすには代表理事|Naho Ida|選択的夫婦別姓、ジェンダー平等を実現します (@nana77rey1) August 21, 2020
コロナ禍で事実婚の方々の不安が一層増しており、自民党内で法改正に向け早期に話し合っていただきたいこと、ご相談しました。
お時間いただきありがとうございました😊 pic.twitter.com/R9gFHrjV7n
8月23日 井田が田村議長、須賀議会運営委員長と面談。ひとしきり説明が終わったあと、
- 嫁を家に入れない=夫婦別姓 という論には根拠がないこと
- 家制度は1947年廃止。「家」
という法的概念はすでに法的にはもうないこと - 日本の伝統は夫婦別姓であること
- 日本以外すべての国で氏を変えずに結婚できるが、
社会問題になってないこと
など、繰り返し角度を変えて、
「どの人間も等しく、自分の氏名を変えずに名乗る、
10月12日 自民党議員勉強会。約50名の議員の多くが参加してくださり、
「

メンバー8名が自身の困りごとを報告した埼玉県自民党県議団の勉強会
しかし、
12月8日 「両論を聞くべきだ」という反対議員の主張により、日本政策研究
12月25日 自民党内の部会で「選択的夫婦別姓」
2021年1月下旬 田村議員を含む全国40議会の自民党議長のもとに国会議員50名
2月3日 田村議員がブログで圧力文書の内容を公表。「不愉快」「
2月24日 立憲民主党・大河原雅子議員が内閣委員会でこの圧力文書について
2月26日 選択的夫婦別姓・全国陳情アクションが、以下2点に問題を感じ、
1. 三権分立の中で、
国民が国に意見を届ける正当な手続きが地方議会の意見書です。 改姓問題は国民の生活上の困りごとであり、今回の「お手紙」 は困りごとの改善を求める国民の声を国会に届けられないよう、 国会議員が水面下で地方議会に圧力をかけたに等しく、 国民主権の国であってはならないことではないかと感じました。 2. また50名の方々の「反対理由」は、
一読して偏見と無根拠さに満ちたものではないかと感じました。

反対論に無根拠論が目立ったので、立命館大学・
引き続き、田村議長の「反対議員への反論」を取り上げるメディアが相次いだ。




2月26日 埼玉県議会自民党青年局がYouTubeチャンネルで「
5月14日 埼玉県の大野元裕知事が選択的夫婦別姓に賛意を示されたことを知り、「CHOICE SAITAMA」「一般社団法人日本跡取り娘共育協会」「
大野知事は座右の銘という「立国は私なり。公に非ざるなり (

左から「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」成宮八重子さん、井田奈穂、(オンライン参加)「選択的夫婦別姓の早期実現を求めるビジネスリーダー有志の会」共同代表・夏野剛さん、大野元裕埼玉県知事、「CHOICE SAITAMA」伊藤梨里さん、宮木快さん、「一般社団法人日本跡取り娘共育協会」内山統子さん
その後、要望に伺ったメンバーで各会派をすべて回り、

14名の県議がご所属の無所属県民会議の皆様と

10名の県議がご所属の埼玉民主フォーラムの皆様と

9名の県議がご所属の埼玉県議会公明党議員団の皆様と

6名の県議がご所属の日本共産党埼玉県議会議員団では、県下の市議の皆様も集まってくださいました
5月26日 「CHOICE SAITAMA」「選択的夫婦別姓・全国地上アクション」

「CHOICE SAITAMA」の伊藤さん、宮木さん、「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」成宮さん、井田(オンライン登壇)で開催
5月29日 CHOICE SAITAMA主催のオンラインイベントに、自民党・田村琢実議員、公明党・蒲生徳明議員、安藤友貴議員、共産党の蕨市議・宮下奈美議員が参加。埼玉県在住のユースの意見を受け止め、法改正まで埼玉県議会でできることについて、前向きで活発な議論が交わされた。
6月14日 自民党会派の団会議での最終調整で文言に納得いただけない議員がいたために、急遽「
請願者代表を任せたのは、まだ10代の伊藤梨里さん。20代の宮木快さんとともに、この国の未来を自分たちで声あげて作ってきたことを、法改正の日、誇りに思えますように。
埼玉県育ちなので、ほぼすべての会派に後押ししていただけて感無量でした。
— 井田奈穂|一般社団法人あすには代表理事|Naho Ida|選択的夫婦別姓、ジェンダー平等を実現します (@nana77rey1) June 14, 2021
埼玉の未来を担う若者に請願者代表を任せたく@choice_saitama の伊藤梨里さんに。前々日に我々の母校・早稲田大学で待ち合わせしてプチ署名式😊
10代20代の子たちが自ら声を上げているんです。国会議員の皆様、法制化を! pic.twitter.com/Xut61tzjMc
6月29日 請願が委員会にて採択。
7月2日 本会議にて、意見書が可決。
意見書可決を受けた報道





可決当日、ジャーナリスト・津田大介さんのポリタスTVの生放送にお呼びいただき、井田より可決までの経緯をお話させていただきました。