2019年3月1日、東京都文京区議会本会議で「選択的夫婦別姓制度について国会審議を求める意見書を国に提出することを要望する請願」が採択されました。自民党含めすべての会派から請願の紹介議員が出てくださり、全会一致での採択です。
私たちの困りごとに耳を傾け、解決に向けて行動してくださった自民党・海老澤敬子幹事長、名取顕一議長、森守区議、山田ひろこ区議はじめ自民党区議団の皆様、公明党・岡崎義顕幹事長、田中香澄区議。そして紹介議員に名を連ねてくださった未来・海津敦子区議、まちづくり・藤原美佐子幹事長、市民の広場・浅田保雄幹事長、共産・板倉美千代副幹事長など、すべての文京区議の皆様に、心から感謝申し上げます。
文京区議会のサイトにも掲載されていますが、こちらが請願の全文です。
請願理由
最高裁判所は 2015 年 12 月、夫婦同姓規定自体は合憲と判断しましたが、同時に選択的夫婦別姓制度について「合理性がないと断ずるものではない」と言及し、制度のあり方について「国会で論じられ、判断されるべき」と国会に委ねました。それから3年。さらに夫婦の姓をめぐる環境は大きく変化しています。
平均初婚年齢は年々上がり、現在 30 歳前後。男女ともに生まれ持った氏名で信用・実績・資産を築いてから初婚を迎えるケースが多いため、改姓時に必要な事務手続きは確実に増えています。戸籍姓でのキャリア継続を望むゆえに事実婚を選ぶ夫婦も少なくありません。また少子化により一人っ子同士のカップルが増えたことで、「改姓しなくていいなら結婚したい」という声も聞かれます。さらに人生 100 年時代、子連れ再婚や高齢になってからの結婚・再婚も増加傾向にあります。選択的夫婦別姓制度の導入は、「家族で同じ姓の方が一体感が深まる」と考えるカップルが引き続き夫婦同姓で結婚できる一方で、必要なカップルは夫婦別姓を選べるようにするものです。これは男女が改姓による不利益を案ずることなく結婚・出産し、老後も法的な家族として支え合える社会につながります。少子化対策の一助ともなるでしょう。
また法的根拠のない「旧姓併記」がこれ以上広がることによる社会の混乱、例えば災害時の本人確認など2つの「姓」を使い分けることによる混乱や、事実婚増加による婚姻制度の形骸化も防ぐこともできます。さらに法的根拠のある生まれ持った氏名でキャリア継続できることから、「女性活躍」の推進にも寄与すると考えます。以上の観点から、男女がともに活躍できる社会実現のためにも、選択的夫婦別姓について国会で審議するよう求める意見書を、国に対して提出いただきますよう要望します。
請願事項
1 選択的夫婦別姓制度について国会審議を求める意見書を、文京区議会から国に提出してください。
請願者は、選択的夫婦別姓訴訟の原告でもあるサイボウズ社の青野慶久社長、そして毎日新聞記者の小国綾子さんです。2人の文京区民に今回の採択についてコメントをいただきました。
文京区議会のみなさんの英知、勇気、そして困っている人たちを見捨てない優しさに深く感謝いたします 。
憲法に定められた「請願権」を生まれて初めて行使してみて痛感したのは、 暮らしている街で声を上げることの大切さと、 国を動かすことの難しさ、でした。今回は無事採択されましたが、 採択か不採択かの結果だけがすべてではないように思います。 例え、採択に至らなくても、声を上げることで「 別姓を選べるようにしてほしい」 という一人ひとりの思いを可視化できるからです。 いろいろお力添えくださった皆さん、ありがとうございました。
小国さんは請願者になるまでの思いや採択までの出来事を、2019年3月2日の毎日新聞で記事としてまとめられました。
“請願権”行使してみた 不思議な爽快感 夫婦別姓意見書提出「全会一致」採択
区議へのプレゼンでしっかりと困りごとを受け止めてもらえたこと、アドバイスを受けながら文面を作っていったことなど、詳細が綴られています。
回った先の会派もみな、応援してくれた。「うちの妹が今旧姓を通称使用していてやっぱり不便だって……」「うちの知り合いも国際結婚で別姓なんだけど、夫婦とても仲いいのよ」。行く先々で多くの区議からそんな話を聞かされた。今や別姓問題は、身近な生活上の困りごととして、イデオロギーを超えて連帯できるテーマなのだと手応えを感じた。
2月26日の区議会総務区民委員会では、自民党区議が自ら「選択的夫婦別姓というのは、今の“同姓”を否定するものではない。同姓も、別姓も選べるようにするという制度で、すでに国で長い間議論されてきた問題なんだ」と力説してくれたそうだ。
改めて、現状の問題点はイデオロギーではなく「生活上の困りごと」だと理解し、サポートしてくださった文京区の議員さんたちに感謝申し上げます。
選択的夫婦別姓=選択的夫婦同姓です。同姓を選びたい人は改姓後の氏名で生きることができ、生まれ持った氏名を変えたくない人は生涯変えずに生きることもできる。その選択肢を与えるだけで、だれもが公私ともに一人一つの名前で生きられるようになり、社会的な混乱が防げます。何より、姓が理由で結婚できないでいた人たちが法的な家族になれるのです。
文京区の区議さんたちは、「こんな困りごとがあったんですね」「明るい未来を見せてくれれば、賛成しない人、いないんじゃないかなあ」「選べれば、女性がもっと活躍できますよね」と、共感してくださいました。子どもの姓が違うと困るのでは?という区議さんには、こちらの記事をお渡しご説明したところ、「なるほどねえ」と理解してくださいました。
親が夫婦別姓、子どもの本音を聞いてみた「困ることはない。以上」
小国さんの記事の結びに、地方自治に詳しい龍谷大政策学部教授、土山希美枝さんの言葉がありました。
地方議会からの一意見書は国をすぐには変えないかもしれない。でも、意見書は市民の提起を『これが私たちの意思です』と可視化できるものです。積み上げていくことには必ず意味がある。
自分も「意思」を示したいと思われた方は、選択的夫婦別姓・全国陳情アクションにご参加ください。お待ちしています。
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そして3月14日づけで国へ送られる意見書が完成しました!区議会から請願者である青野さんにお送りいただいた文面がこちら。請願の文章が反映された内容です。
文京区議会公式サイトに公開された意見書全文。ほぼ請願の文章をそのまま採用してくださっています。
選択的夫婦別姓制度について国会審議を求める意見書
最高裁判所は 2015 年 12 月、夫婦同姓規定自体は合憲と判断しましたが、同時に選択的夫 婦別姓制度について「合理性がないと断ずるものではない」と言及し、制度のあり方につい ては、「国会で論じられ、判断されるべき」としました。
それから3年が経過しましたが、夫婦の姓をめぐる環境は、さらに大きく変化しています。 平均初婚年齢は年々上がり、現在 30 歳前後です。男女ともに生まれ持った氏名で信用・実 績・資産を築いてから初婚を迎えるケースが多いため、改姓時に必要な事務手続きは確実に 増えています。戸籍姓でのキャリア継続を望むゆえに事実婚を選ぶ夫婦も少なくありません。 また、少子化により一人っ子同士のカップルが増えたことで、「改姓しなくていいなら結婚し たい」という声も聞かれます。さらに人生 100 年時代、子連れ再婚や高齢になってからの結 婚・再婚も増加傾向にあります。
選択的夫婦別姓制度の導入は、「家族で同じ姓の方が一体感が深まる」と考えるカップルが 引き続き夫婦同姓で結婚できる一方で、必要なカップルは夫婦別姓を選べるようにするもの です。これは男女が改姓による不利益を案ずることなく結婚・出産し、老後も法的な家族と して支え合える社会を実現することにつながり、少子化対策の一助にもなります。
また、法的根拠のない「旧姓併記」がこれ以上広がることにより生じる、災害時の本人確 認など、2つの「姓」を使い分けることによる混乱や、事実婚増加による婚姻制度の形骸化 を防ぐこともできます。さらに、法的根拠のある生まれ持った氏名でキャリアを継続できる ことから、「女性活躍」の推進にもつながります。
よって、文京区議会は政府及び国会に対し、男女がともに活躍できる社会実現のためにも、 選択的夫婦別姓について審議するよう求めます。
以上、地方自治法第 99 条の規定により意見書を提出します。
平成31年3月14日
文京区議会議長 名取 顕一
内閣総理大臣 安部 晋三 様
総務大臣 石田 真敏 様
法務大臣 山下 貴司 様
衆議院議長 大島 理森 様
参議院議長 伊達 忠一 様
2019年2月26日にあった総務区民委員会での議事録が、文京区議会のサイトで公表されました。全会一致に至る過程で、結婚改姓の経験を持つ自民党・森守議員、共産党・国府田副委員長はじめ、各議員がきちんと2015年の判決や世論調査の結果を調べてくださり、意見を交わし、最終的に全会一致で意見書の合意に至った様子がわかります。
請願者となった毎日新聞・小国綾子記者のコラムもこの議事録について紹介されましたが、
区民の声に誠実に答えてくださった胸を打つ内容ですので、ここに全文引用をさせていただきます。
・受理年月日及び番号 平成31年2月6日 第24号
・件 名 選択的夫婦別姓制度について国会審議を求める意見書を国に提出すること
を要望する請願
・請 願 者 文京区・・・・・・・・・・・・・
青 野 慶 久 外1名
・紹介議員 山 田 ひろこ 田 中 香 澄 海 津 敦 子 藤 原 美佐子 浅 田 保 雄 板 倉 美千代
・請願の要旨 次頁のとおり
・付託委員会 総務区民委員会
・請願理由(請願文が読み上げられる)○前田委員長 この請願は、選択的夫婦別姓制度について国会審議を求める意見書の提出を国
に求めるものです。
御質疑のある方。
森委員。○森委員 戸籍の関係でちょっとお聞きします。
というのは、いろいろな届けをするのに、現行の届けの基本は戸籍法でございます。御案内のとおり、民法の特別法が戸籍法でありますので、その事務を行っている戸籍の内容について何点かお聞きをしたいと思います。
1点目は、この間、課長にもちょっと確認をさせていただきましたが、夫の氏、妻の氏、結婚したとき、今はどちらかを決めることになっていますが、現状、どんな感じの割合になりますか。
というのは、例えば夫の氏が9割、妻の氏が1割になるのかどうなのかというところです。それなぜ聞くかというと、私、手元に2015年12月の最高裁の判決文持っています。その中を見ていくと、賛成意見もあれば反対意見もある裁判官のいろいろな意見を見ている中で、現在、夫の氏で婚姻届を出しているのが圧倒的に多いのだというような中身もあるのですけれども、窓口を持っております区として、その辺の情報はありますでしょうか。○前田委員長 武藤戸籍住民課長。
○武藤戸籍住民課長 今の森委員からの御質問でございますけれども、婚姻届出時に、確かに夫の氏、又は妻の氏を選択していただく制度でございます。実際の婚姻の届け出数といたしましては、平成30年1月1日から12月31日まで3,822件ございましたが、この中で夫の氏を選んだ方の数の把握というのは特にしてないといったところでございます。ただ、職員の事務処理上の感覚的なところでございますけれども、職員としても95%程度ぐらいは夫の氏を選択するといったような状況で捉えているところでございます。
○前田委員長 森委員。
○森委員 もう一歩、氏が変わる話です。これは少し離れた話になります。
戸籍上で名前が変わるというケースは他にどんなケース考えられますか。私の経験則から言うと、養子縁組があります。又は養子の離縁もそうです。戻ります。婚姻、離婚もあります。こういうのが名前が変わるというケース。この請願とはちょっと離れます。そういう面での名前が変わるという制度は戸籍上どういう届けがありますか。○前田委員長 武藤戸籍住民課長。
○武藤戸籍住民課長 今委員からもお話ございましたとおり、婚姻届、離婚届、養子縁組届、養子離縁、その他には入籍届など幾つか、氏が変更となる届け出はございます。
○前田委員長 森委員。
○森委員 なぜ聞いたかというと、私自身も実は名前が変わっています。私は、妻の氏で結婚、同時に養子縁組をしているので、私は名前が変わっています。ですから、自分がそういう経験があります。
もう一つ。離婚届をするときに、そのまま婚姻当時の名前でできるという届けが、確か戸籍法第77条の届けというのが、離婚届と別に出す。婚姻当時の名前でできるという制度がありますが、その届けというのはどうでしょうか。何件ぐらい出るんでしょうか。分かれば。○前田委員長 武藤戸籍住民課長。
○武藤戸籍住民課長 平成30年1月1日から12月末までの届け出におきまして、離婚届出数といたしましては698件ございました。離婚により通常は結婚前の氏に戻ってしまうわけなのですが、3か月以内に届け出をいただきますと、氏をそのまま続けることができます。この件数は241件ございました。
○前田委員長 森委員。
○森委員 今、第77条と端的に言ってしまいますけれども、私の記憶では、この制度ができたのが今から40年ぐらい前です。そのときも、この制度ができるまでに、いきなりなったのではなくて、世の中のいろいろな事情があって、特に私の記憶があるのは、お子様のいらっしゃる御夫婦で離婚された場合に、妻で名前が変わった方がそのまま旧姓、婚姻当時の名前を使って、子育ても同じ名前でやっていたということが、社会の中でもそういう議論がありました。確かその制度が40年ぐらい前にできたと思います。私の記憶で40なんですが、課長、御存じですか。
○前田委員長 武藤戸籍住民課長。
○武藤戸籍住民課長 委員からお話のございました戸籍法第77条の2の規定でございますけれども、こちらの改正が昭和51年の制度ということになってございます。
○前田委員長 森委員。
○森委員 今、こういう請願が出ていて、氏名についてのお話が出てきましたが、昔もそういったことで名前の届けの変遷というか、そういったものがるる出てきているのかなというふうに私自身は感じています。そこで、最後の質問です。今、こういう動きの中で、戸籍の事務そのものが将来変わる可能性はもちろんあると思いますが、管理監督者である東京法務局などからそういう動きと併せて職員への情報又は研修、その他様々な通知があるかも分かりませんが、現状として何か情報があって取り組んでいるということはあるんでしょうか。職員の人もるる情報を持っていかなければいけないし、もし本当にこの制度をきちんと導入するとなれば、制度そのものを大きく転換するわけですから、届け出の用紙も全て変えなくてはいけないし、戸籍の記載方法も全部変えなくてはいけないということもあるので、事務そのものがどういうふうになるのかなというふうに私自身は見ていますが、どんな感じですか。
○前田委員長 武藤戸籍住民課長。
○武藤戸籍住民課長 戸籍法制度ですとかの改正の情報につきましては、東京法務局などが戸籍の全体の協議会ですとかにおきまして、現在の審議状況ですとかを情報提供いただくといったところになってございます。その他、改正が確定したものにつきましては、例えば特別区主幹課長会の下部組織でございます制度研究会などがございますので、そういったところで今後の制度の運用の在り方について担当職員が検討し、実際の窓口で運用していく流れとなってございます。
○前田委員長 では、国府田副委員長。
○国府田副委員長 夫婦別姓の請願であります。実は私は、国府田という名前を名乗っておりますけれども、結婚した37年前は、自分の旧姓であるフジサワという名前を職場では名乗っておりました。女性の場合、さっき95%という方々が本来の自分の姓ではない姓を名乗るのが一般的になっておりまして、どっちかを選択するということがなかなかできないので、じくじたる思いで戸籍は変えざるを得ませんでしたけれども、職場では、姓を変えることでいろいろな不都合が出ます。何か文書書くにしても、どの名前で書くんだとか。そういう意味では私は夫婦別姓というのを支持している立場なんですけれども、自分の姓を変えることをよしとしないカップルというのが昨今増えているのではないかなというふうに思います。今、戸籍上は両方の名前出すわけにいかないから、どっちかの名前を選ぶということで、結局、それをよしとしない方々は事実婚という形で、入籍自体をしないというケースも増えてきているのではないかなというふうに思うんです。区として、戸籍住民課の窓口で、事実婚という形を選択しているのではないかと思われる区民のカップルというのがどの程度いらっしゃるかということ。推測でしかないかもしれないんですけれども、もし把握していれば、把握というか推察も含めて、どの程度いらっしゃると思っているのか、一つお伺いしたい。
それから、もう一つお伺いしたいのは、法務省が選択的夫婦別姓についてどのように考えますかということでアンケートを5年に1回とっております。2018年のアンケート結果について把握していらっしゃれば教えていただきたいと思います。
夫婦別姓がいいとか、同姓がいいとか、そういうアンケートだと認識しております。
それから、三つ目に、国際的な話なんですけれども、世界で夫婦同姓を義務付けている国というのはどこの国かと。これは日本だけだと言われておりますので、世界で夫婦同姓でなければ駄目ですよと言っている国は日本だけだというふうに言っていいのかどうか、ちょっと教えていただければと思います。
四つ目に、国連の女性差別撤廃委員会から、夫婦同姓にしていることを日本は、その撤廃を強く求められていると思うんです。この件について区としてどのように把握しているか伺います。○前田委員長 武藤戸籍住民課長。
○武藤戸籍住民課長 まず初めに、1点目の事実婚につきましての数の把握という御質問でございますけれども、現状、戸籍住民課におきまして、文京区民で事実婚の方の数を把握はしてございません。
窓口におきまして届け出される方の中には、確かに未届けの夫ですとか見届けの妻ということで届け出をしていただく方はございますが、その属性に関しての数の把握というのはしていないといった現状でございます。2点目の、国によります家族の構成に関する世論調査の件かと思いますけれども、こちらにつきましては、選択的夫婦別氏制度の導入に向けて民法改正すべきかどうかの質問がありました。これにつきましては、直近の結果で、賛成派は42.5%、反対派につきましては29.3%という結果になったと把握してございます。
なお、こちらの調査はおよそ5年ごとに実施してございまして、過去2回はこの賛否が拮抗していたというところまでは把握してございます。更にその5年前は賛成のほうが多かったという状況で、この辺り、国民の家族に対する捉え方が変化しているというところだと認識してございます。
3点目の、夫婦同姓を義務付けている国がどこなのか把握しているかという件につきましては、私のほうではその点については把握してございませんが、近隣アジアの国でも日本ぐらいではないかと感覚として捉えております。
最後に、4点目の国連におけます女性差別撤廃の件でございますけれども、確かにこういったことで国連からの強い要請を受けているというところは把握してございますが、この件につきましても含めて、国全体の制度ですので、我々としては制度改正の動向を注視しているという状況でございます。○前田委員長 国府田副委員長
○国府田副委員長 丁寧に答えていただいてありがとうございました。
最初の、夫婦別姓で届け出をしていないケースなどで私も承知しているお宅もあるんですけれども、若い御夫婦でお仕事持ってらして、本当に対等、平等です。表札は二つ掲げていらっしゃって、夫婦別姓で事実婚ですというふうにおっしゃっていらっしゃいました。お子さんはどちらかの姓を名乗ってらっしゃると思うんですけれども、どちらの姓を名乗っているか私はまだ承知しておりませんけれども、そういう形で今のところせざるを得ないということは大変なことだと思います。これが法制度に乗っかって、両方名乗っていいんだよというふうな形になると、戸籍上も両方の名前が載ってくるわけだから、それが非常にいいなというふうに思います。
それから、選択的夫婦別姓についての法務省のアンケートなんですけれども、三つの選択肢があったようなんです。課長が今おっしゃったように、夫婦別姓の導入に賛成というのが、2018年は42.5%あったと。夫婦別姓導入に反対というのが29.3%あったと。それから、三つ目の選択肢が、どこでも通称使用できるように法改正をしたほうがいいというのが24.4%あったということなんです。法務省はこの結果を8か月以上公表しなかったというふうに言われているんですけれども、なぜかというと、どこでも通称使用できるように法改正するのがいいのではないかという三つ目の選択肢を、夫婦別姓導入に反対しているほうの数に政府は入れたかった。だけれども、どこでも通称使用できるように法改正するというのは、夫婦別姓に反対しているのではないのではないか、賛成のほうに入れるべきだという見解を持つ市民グループの方々もいて、非常に問題になって、政府もアップしなかったというふうなことが新聞報道でも書かれておりました。
夫婦同姓を義務付けているのは、世界で日本だけだと。これは衝撃的に私も思いまして、2015年に日本共産党がそういうふうに言っております。世界の中でも異例というか、ちょっと変わった国だなとなります。
四つ目の、国連の女性差別撤廃委員会から夫婦同姓の撤廃を強く求められている件なんですけれども、2013年9月には2回目の勧告が出て、この勧告が履行されていないものと判断するということで、日本が厳しく非難、批判されたというふうに言われております。だから私は、ここは意見述べるところではありませんけれども、この請願、非常に時宜に適したものだというふうに思いました。○前田委員長 では、質疑を終わらせていただきたいと思います。
態度表明に入ります。
それでは、永久の会お願いします。○山本委員 永久の会は、今お話もありましたけれども、現実には夫婦別姓も進んでいる状況もありますので、法整備が現実的に追いついてないということでございますので、採択いたします。
○前田委員長 市民の広場。
○田中(和)委員 市民の広場は、選択的ということであります。さっきから言われているように、CEDAWという国連の女性差別撤廃委員会のほうからも再三、勧告をされています。ということで採択いたします。
○前田委員長 日本共産党。
○萬立委員 去年6月、共産党を含めた野党会派が共同で選択的夫婦別姓を実現する民法改正案を参議院に提出しております。その法案というのは、請願文書に書かれたものと同様で、個人の尊厳と男女の対等な関係の構築などの観点から、婚姻時に夫婦同姓か別姓かを選択できるもので、別姓の場合、子どもの姓は出生時に夫婦で決めますということになっております。
そもそも選択的夫婦別姓というのは、憲法第14条、法の下の平等、また第24条、夫婦が同等の権利を有するということとの関係でもこれを実現するものであって、さっき国府田委員も言ったように、日本だけだそうです。同姓を強制するのは。
多様な生き方や信条を決して排除してはならないという立場から、この請願につきましては採択をいたします。○前田委員長 では、公明党。
○岡崎委員 公明党は紹介議員にもなっておりますし、うだうだ言う必要もないと思います。選択的夫婦別姓制度については、男女が、ここにもありますように、ともに活躍できる社会の実現に大きく近づくものであると思いますし、男女平等参画社会を目指して国会で、ここにありますように、しっかり審議をしていただきたいと思いますので、採択です。
○前田委員長 未来。
○上田委員 先ほどの質疑の中でもありましたけれども、42%の方が賛成であるという話ですし、通称を使えたほうがいいというのは、要するに旧姓を使えないと仕事上困るなという感覚が結構強いんだろうなというふうに思います。2015年の最高裁判決が逆に、あれ、おかしいな、私たちの感覚と違うという気持ちをすごく女性たちに呼び起こしたのではないかなというふうに思います。そのとき合憲と言ったのが全員男性の判事で、女性の判事は全員、違憲とおっしゃったというのもすごく象徴的で、それは経験してみないと分からないような不合理なことがたくさん起こっていた。だから選択的夫婦別姓を是非導入してほしいという人が増えてきている。
そういうことを考えますと、もちろん国際的にも批判されているというのもありますけれども、この選択的夫婦別姓制度について、国会できっちり審議していただいて、是非導入に向けて動いていければというふうに思いますので、採択いたします。○前田委員長 自民党。
○森委員 私は、この請願そのものの真ん中の部分が非常に重要なポイントだと思っているんです。選択的夫婦別姓制度の導入うんぬんかんぬんで必ずしも今の夫婦同姓が駄目ということではないんです。あくまでも同姓でできる一方で夫婦選択制をということなんです。だから、日本だけがうんぬんかんぬんと言って、何か悪い制度のように僕は聞いていたんだけれども、そうではないということです。
それと、判決そのものは棄却なんですが、反対の判事の意見もきちんと載せてます。したがって、判決文の例を引用させてもらいますと、総合的に考慮すると、夫婦同氏制が、夫婦が別の氏を称することを認めないものであるとしても、現下の状況の下に直ちに個人の尊厳と両性の本質的平等の要請に照らし合理性を欠く制度であるとは言えないという言い方。ちょっと表現を変えていますが、そういうことにしています。
ですから、この請願の一番上の文言になってますが、合理性がないと断ずるものではないというのが正にこの判決文から読み取れるのかと思っております。
それともう一つ、急な話ではなくて、選択制の話というのが実は平成6年の法制審議会民法部会において審議されています。既に夫婦別姓の導入を求める声が芽生えているという答申を述べておりますので、かなり前からその議論があったのかと思っております。したがいまして、本請願について、国会審議を求める意見書を文京区議会から提出してください。自民党は採択をいたします。○前田委員長 それでは、審査結果を申し上げます。
採択が8、不採択がゼロ。よって、採択すべきものと決定いたします。
それでは、意見書の文案の作成については委員長に御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(「はい」と言う人あり)
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